たった5分で変化が出る!前屈チェック“FFD”からはじめる全身バランス調整
はじめに:「前屈で手が床につきますか?」
何気ない動きですが、前屈は意外と“体の状態”をよく表してくれます。
最近、「床に手が届かない」「前屈で膝が曲がってしまう」そんな方も多いのではないでしょうか?
そんなときに使える簡単なチェック法が「FFD(Finger Floor Distance・フィンガーフロアディスタンス)」です。
これはその名の通り、立った状態で前屈をしたときに**指先と床の距離がどれくらいあるか**を見る方法。
FFDで何がわかるの?
FFDが大きい(=手が床に届かない)ということは、体のどこかに柔軟性の不足や筋肉のアンバランスがあるサインかもしれません。
例えば・・・
- 太ももの裏(ハムストリングス)が過緊張している
- 骨盤が後傾して、腰や背中に負担がかかっている
- 背骨の柔軟性が失われ、背中が丸まりやすくなっている
カイロプラクターが見る「前屈できない人の連鎖反応」
実際に、前屈が苦手な方に多く見られる体の流れ(キネマティックチェーン)は次のようなものです:
- 前屈で手が届かない
- ↓
- ハムストリングスの過緊張
- ↓
- 骨盤が後傾しやすくなる
- ↓
- 大腿四頭筋の活動が弱まり、重心が後方へ
- ↓
- バランスを取るために上半身を前に倒す
- ↓
- 背中が丸まり、猫背や肩こりにつながる
このように、「手が床に届かない」という単純な現象が、実は全身の姿勢や筋機能に関係していることもあるのです。
放っておくと…?実はこんなリスクも
もちろん、FFDで手がとどかないからといって必ず不調になるわけではありません。
ですが放っておくと…
- 姿勢が崩れて見た目に老け感が出る
- 腰痛・肩こりの慢性化
- 歩幅が狭くなり、転倒リスクUP(特に高齢者)
といった影響が出る可能性もあります。
今すぐ試せる!FFD改善ストレッチ(ビフォーアフターで実感)
【Beforeチェック】
まずは何もせずに前屈してみましょう。
・足を揃えて立ち、膝を曲げずにゆっくり前に倒れてみてください。
・指先と床の距離(FFD)を覚えておいてくださいね!
ストレッチ①:タオルを使ったハムストリングス伸ばし

- 方法:
- 仰向けに寝て、片足を真上に上げる
- 足裏にタオルをかけて両手で軽く引っ張る
- 膝をできるだけ伸ばし、太ももの裏が伸びるのを感じる
- 30秒×左右1回ずつ
**ポイント**:反動をつけず、ゆっくり呼吸しながら行う
ストレッチ②:ふくらはぎのカーフストレッチ

- 方法:
- 壁に両手をつき、片足を後ろへ引く
- 後ろ足のかかとを床につける
- ふくらはぎに伸びを感じたら30秒キープ
- 反対側も同様に
**ポイント**:つま先は正面、背筋はまっすぐを意識
膝の角度は伸ばすとふくらはぎ上部が、曲げると下部が伸びます。
「膝伸ばし → 膝曲げ」両方セットでやることで、ふくらはぎ全体の柔軟性UPにつながります。
ストレッチ③:ワイドスタンス前屈

- 方法:
- 足を肩幅より広めに開く(つま先やや外)
- 背中をまっすぐに保ったまま、上体を前に倒す
- 手を床につける or 足首をつかんで30秒キープ
**ポイント**:膝を曲げすぎず、骨盤から倒す意識で
ストレッチ④:ヒップヒンジ練習
- 方法:
- 壁に背を向けて、20cmほど離れて立つ
- お尻を後ろに引きながら股関節から上体を倒す
- お尻が壁に「ちょん」と触れるように動かす
- ゆっくり戻す(10回)
**ポイント**:背中を丸めず、お尻を引く意識を持つ。
膝は伸ばし切らなくてOK。5~10度くらい曲げて良い。
ストレッチ⑤:呼吸連動型前屈ストレッチ

- 方法:
- 立った状態で軽く前屈
- 息を「ふーっ」と吐きながら前屈を少し深める
- 吸って戻す → 吐いてまた深める(3〜4呼吸)
**ポイント**:呼吸に合わせて筋肉を「脱力」させる意識で
【Afterチェック】
再び前屈してみましょう。最初より指先が床に近づいた、膝の裏が楽になった、体が倒れやすくなった……そんな変化があれば、それはあなたの体の“可能性”です!
おわりに:柔軟性の奥には、動作のクセがある
柔軟性=筋肉を伸ばすこと、だけではありません。
「どこが使えていないか」「どう動いているか」——その体の使い方を見直すことで、前屈も、姿勢も、体の不調も変わっていきます。
たった数分のストレッチでも、毎日の積み重ねが体を変えていきます。
まずは“前屈”というわかりやすい指標から、自分の体を見つめ直してみましょう。
【カイロ先生の体なび】は、毎週火曜に「体のしくみ・メカニズム」視点から、
土曜には「自宅でできるセルフケア・ストレッチ」をご紹介しています。